布絵本と布おもちゃの部屋
貸し出していた「おやゆび姫」の布絵本をなおそうと思って袋を開けると、登場人物だけ違うビニール袋に入っていました。
それを取り出した時に、ちょっとした違和感が。
おやゆび姫と王子(南の国の妖精)が私が作ったものじゃない感じがしたんです。
よく見たら、やっぱり違う。これは間違って入れ替わっちゃったんだなと思いました。
やっぱり自分が作ったものは同じ型紙でもわかる。
で、どうしようかと悩みました。
返してくださった方は私が作ったほうが自分が作ったと思ってらしゃるわけだから。
そのままにしていようか、と思ったんですけど、でも、お孫さんのために作られたこのお人形がかわいそうだ、と思いました。
お孫さんのために使った時間、その時間をきちんと届けてあげなくっちゃ、と思って、勇気を出してLINEを入れました。
するとすぐ電話があって「そうですか?」とちょっと訝しげ。
私は結構強気に、「説明書に写ってる写真を見られたら多分違いがわかると思います」と言いました。
どうしても生徒さんが作られたものをお孫さんに渡してあげたかったから。
「もう孫には送っちゃったんです」とおっしゃるので、
「あ、私のサンプルは戻していただくのはいつでもいいんです。もう、プレゼントします!
せっかく〇〇さんが作ったお人形をお孫さんに渡してあげたいんです!」
と言いました。
もしかしたらどこかに失礼なところがあったかもしれない、ですけど、私には珍しく強気に主張しました。
その辺りの想いが最終的に伝わったのか、最後は穏やかに「そうですか、すみません。じゃあ、次に持ってきてください」とおっしゃいました。
お人形は本当に作り手で表情が変わるんです。
だから迷子の子たちを親元に戻してあげたかったんです。