布絵本と布おもちゃの部屋
うちにはとても高いミシンが鎮座してます。
ただ購入して15年くらい経っていて、ボタンホールが縫えなくなってます。
修理に出せばいいんですけど、多分何日かかかるので手元から離せなくてそのまま使ってます。
ボタンホールは今の所そんなに使わないし。
ただ、今回お受けした仕事で、ボタンホールしたほうがいいかも、という状況になりました。
どうしよう、、、ボタンにしなくてもいいかもだけど、ボタンのほうがいいかもなんだよなあ。
その時、ママの手作りタイムのために買った持ち運びできるコンパクトミシンを思い出しました。
これ、ボタンホール、できるよな?
Amazonで1万7千くらいで購入した、ちっちゃなミシンです。
それがママの手作りタイムで結構活躍してるんです。
みなさん、はじめはドギマギ使ってるけど、最後は心地良さそうにスイスイ縫ってらっしゃる。
それで、コンパクトミシンを出して、ボタンホール縫ってみました。
おお、めっちゃ簡単に綺麗に縫えるじゃん!!!
このミシンで通常のお子さんのグッズは作れます。
ご家庭で軽く縫いたいのなら、このミシンで十分!
フィルターバブル現象で、私のインスタには手作り情報のサイトの広告がよく入ります。
それで購入しちゃったりもしてます。
今回入ってきた情報は「てといと」ハンドメイド記録サイト。
そこでこの企画を発見。
前に、そんな感じも企画を紙媒体で参加したことがあります。
結構な人数の作家さんが集まってて、5万円で2ページ。
写真は自分で撮ったので、かなり苦労しました。
というのも作品がデカくて家の中では背景とかうまくいかなかったので、近くの公園で朝早く誰も来ない時間に撮った思い出があります。
で、結果反響はほぼ0。
うーん、今回は10人セレクトのデジタルブックかあ。
選考に通ったら5万円の支払いがあるけれど、写真はプロが撮ってくれて、手芸編集者さんが関わってくれる。
今回はどこの出版社さんだろうと検索すると、老舗の出版社の誠文堂新光社さん。
ん?
なんか記憶にあるぞ、とメールを遡ってみると、
なんと、前出版の手前で企画が通らなかった出版社さんでした。
コロナ前、ここの編集者さんが一緒に簡単な布のおもちゃの作り方の本を出そうと頑張ってくださったんですけど、通らなかった。
それはどうしてか、私自身もわかるから、ただただ頑張ってくださった編集者さんに感謝してるんです。
ああ、ここなんだー。
ということで、今回は様子見で見送りますけど、いつかリベンジも含めて挑戦したい!と思っているところなんです。
てといとはここ
生徒さんの中に、就労支援Bに通ってらっしゃる方がいます。
長年の生徒さんで手芸の腕前も上々で、その辺も見込まれて布のおもちゃ制作販売をされてます。
長いお付き合いの生徒さんなのでその方の励みになれば、という思いから、私の作品の販売を許可しました。
会うたびにご様子を伺うんですけど、あまり満足そうじゃないんです。
作ったものが売れることは売れる。
けれど、施設側がものすごく安い値段で販売していてがっかりするんだっておっしゃってました。
1日かけて作ったものが300円程度で売られると、次作る気がしないって。
うん、これはモチベーションが下がる。
ハンドメイド作品市場は実に過酷です。
私はよく目安として材料費+時給で換算して値段をつけることをおすすめするんですけど、ハンドメイドではまず不可能です。
なので私は完成作品販売をほぼしないんですけど、キット販売でも安めにつけてます。
キットの場合は、材料実費+揃える時間+アイディア(著作っていうか型紙とか作り方とか)
有名になって、あの人のあの作品が欲しい、となった時にもしかしたら正当な値段がつけられるかもしれない。
布の作品の場合、「自分でも作れるかも」と思っちゃうので、特に値段が下がるのかもしれないです。
私は若いハンドメイド作家さんから相談を受けたら、大概ご本人の申告値段よりも高く売るように勧めます。
売れなくても、次の機会に売ればいいから値段を下げるなって言います。
ハンドメイド作家さんは、売れないとがっかりするから初めから弱気なんです。
弱気の値段の中に買い手のかたが入っちゃうと、脳が洗脳されてハンドメイド作品はこの値段なんだ、と思い込んじゃうんですよね。
だからみんなで働いた時間を正当に値段に反映させなくては!
おまけ
昨日の仕事場に行く途中のお店。
奥に金の招き猫がいます。
昨日はリビングの簡単布雑貨の日で、パンセットの続きを作ってもらいました。
あんぱん、メロンパン、コッペパン、クロワッサン、ドーナッツ。
コットン中心の作品です。
布雑貨の教室なので、あまりおもちゃとしては考えてなかったんですけど、前回メロンパンやあんぱんを作られた生徒さんが、お孫さんがとても喜んでパン屋さんごっこに大活躍しているんです、というお話でした。
「あんぱん一個だけじゃあパン屋さんができない」というお孫さんのお声を受けて、家にある布、時にはお孫さんの古着を使って数をどんどん増やしているとのこと。
きてくださっている生徒さんは、ママ世代ではないけれど、おばあちゃま世代だったりします。
私はおもちゃが専門分野なんですけど、おもちゃを必要とする世代は狭いので今回はどの世代でもOKな布雑貨にしたんですけど、お子さんのおもちゃとして活躍してくれてるお話は、とっても嬉しかったです。
おもちゃっぽい雑貨、雑貨っぽいおもちゃ、遊び心のある作品をこれからも作っていきたいなあ。
今日読んだデジタル朝日の記事が衝撃。
タイトルは
「母が編んだ『じゃじゃまる』セーター、友達にバカにされた日から一転』
簡単に書くと、
村上亮太さんは、小学3年の時に、転校先で着ていったアップリケのついたお母さんの手編みのセーターをからかわれ、心が折れる経験をしました。
家の中は母さんの趣味で作られて手作りで溢れていたので、手作りのセーターを着ることは彼にとっては自然なことだったけれど、人は違うんだろうと気がついた初めての経験だったと書かれてます。
そしてほどなくそれが原因で彼は学校に行けなります。
半年見守ってくれたお母さんが痺れを切らせて「いいかげんに行きなさい」と言われて、初めて村上さんは理由をお母さんに話したそうです。
するとお母さんはキレて(多分傷ついて)それから作ることをやめてしまいました。
そして、彼もお母さんの世界観を拒絶しました。
そんな彼はファンションデザイナーを目指して、イタリアの国際コンペの応募するための作品になかなかアイディアが出ず行き詰まっていた時、講師に過去のお母さんの手作りの服の話をしたそうです。
そしてお母さんの手作りの縞々の柄の上にNHKのじゃじゃまるがデザインされた服を見せると、信じられないくらい褒められた、んですって。
そして「こうゆうふうなセーターをデザインしたら」と言われたけれど、自分ではなかなかうまくできずスランプが続いていた時再び講師の先生が
「お母さんにデザインしてもらったら?」と提案されたことで、親子コラボの作品が出来上がり、ブランドとして誕生する!わけです。
あの時、完全否定して、お母さんの手作り人生にも蓋をするくらいの出来事が、時を経て、それが世界に発信するくらいの作品として認められる!!
時代と見る人と状況と、色々と変わると、全然価値評価が変わる!!
ゴッホを思い出すなあ。
作品を作ってる人は、私を含めて時代に振り回されるですよね。
流行りの作品じゃないなあっていうことを自覚する。
時にアタフタ抵抗したりする。
でも、この記事を見ながら、「大丈夫大丈夫、自分らしい作品を作り続けていこう」と思いました。
今は親子コラボは解消されてます。
一つ言えるのは、やっぱりお母さんの感性の中で育ったことが、彼の人生に影響したんだなあ。