布絵本と布おもちゃの部屋
生徒さんが心を病まれて心療内科に通われるようになったのは、3、4年前だったかな。
それでも教室は心の病院だと言って来てくださってました。
その時、いつも季節タペストリーのキットを1か月ごと注文されて、「え?も前作ったよね?誰かにプレゼントされるの?」と聞くと、「今通ってる心療内科にあげるんだ」とおっしゃってて、一年分作られました。
この間の教室の時、嬉しそうに「待合室の壁に飾ってくれてるんだけど、来てくれてる方が『癒されます』ってとても喜んでくれてるって。誰が作ったのって聞かれるらしいんだけど、絶対私って言わないで、って言ってるんや」って報告してくれました。
「おお、タイガーマスクだね」と教室中盛り上がりました。
手作りの季節のものが飾ってあると和むんだろうなあ。心がちょっと疲れた方には特に、ホッとするんだろうなあ。
そして生徒さんにとっては、自分の針仕事が役になってることが、心の元気に繋がるんだろうなあ。
1月は干支。2月は節分。3月はお雛様。4月は入学式。
能登半島地震がお正月に起きて、こちらでもかなり揺れました。
2024年の幕開けの思ってもない出来事、そして毎日届く悲惨な被災地の現状。いつも辛い出来事が起こるたび、何が自分にできるか考えます。
そんな時、Instagramでちくちくさんが、おもちゃ制作ボランティアを募ってらっしゃいました。
ちくちくさんは小児病棟にクリスマス手作りおもちゃを届ける中心になって動いてくれてる方で、私も4年おもちゃを送ってます。
あ、これだ!私のできること、と早速「参加します」メッセージを送りました。
1月末締切で、車とボールと巾着を作って送る予定です。
こうゆうネットワークがあると繋がるのが早い!ちくちくさん、長く地道に活動されてるから信用もしっかりある。
たくさん作らなきゃ!
は、ブックカバーです。
今年は寝る前導入剤は本にしようと決めて、とりあえず何の本を読もうかと本棚を見たら、そうそう、『西遊記』これ読みかけてはやめてを繰り返してたよなあ。
で、どうしてやめちゃうかと言ったら、分厚い本でどこを読んだか忘れちゃうんです。
栞を挟んではいたんだけど、知らない間に無くなってる。で、栞付きのブックカバーを作ることにしました。
ブックカバーはよく作ります。本の表紙を見せなくなかったり、汚したくなかったり、という理由じゃなくて、栞の紐が欲しいために作ってます。
そして意外に本の大きさって違うからせっかく作っても他の本では合わなかったりします。
ほんとに簡単で30分以内で楽々できちゃうので、家にある布でどんどん作っちゃってる。
これ、簡単教室やYouTubeで紹介しようかなって思ったんですけど、うーん、紙の本あまり読まないですよねえ。
実は、今はこの本じゃなくてKindleで『たゆたえども沈まず』(原田マハ著)読みながら寝てるし。
年の瀬、生徒さんの家の前で立ち話していたら、戸をあけて息子さんが出てきて、玄関に同じこの干支飾りが見えました。
息子さんが小さい時おもちゃ教室にきて、これを地道に作ってくれたんだなあ、その時のこの子がこんなに大きく頼もしくなって!
時が過ぎた後も、おもちゃと作った時間を思い出す。
そんな手作りの時間を楽しむ輪を広げたいなあ。