布絵本と布おもちゃの部屋
読者としての谷川さんとのお付き合いはとても長いです。
もしかしたら初めて読んだ絵本は、谷川さんの本だったかもしれません。
少なくとも、初めて好きになった絵本だったら、絶対的にそうです。
今でもその本を大切に持っているし、一度誰かにあげてしまったけれどどうしても手元に置いて置きたくて、大人になって復刻版を買った本もあります。
今でも持っている本が『しのはきょろきょろ』
デパートでお母さんがパーマをあててる時、5歳の「しの」がデパート中を大冒険するっていうお話です。
今ではNGの行動ですよね。多分虐待って言われる。
同時、このお話が同じくらいの年の私は本当にドキドキワクワクした。
絵本の中にたくさんの色と音が入り混ざったような空間、ファンタジーもまだ素直に起こりうることだと受け入れていた年齢の私がしのと一緒に冒険していたあの頃。
読んでいた家の縁側まで思い出すなあ。
絵はあの和田誠さん。
なんて贅沢な絵本なんだ!
書き出しはこんな感じです。
「しのはきょろきょろしたよ
もうれつにきょろきょろしたよ。
いろんないろがみえたよ。あおっぽい
みどり、みどりっぽいあお、ひかってる
きんいろ、ゆれているぎんいろ、
すきとおったあか、ぱっちりした
みずたまもよう、だんだんぼけていく
ふじいろ・・・」