布絵本と布おもちゃの部屋
晩年の父が認知症になって、父のそばにいた時痛切に感じたのは、不要になったと本人が感じる悲しさでした。
「とーさんといると楽しいよ」と言うと、涙を浮かべて「そーかい。嬉しいのう。そんなことを言ってくれる人は誰もおらんからのう」と言ってました。
お世話されるだけで生きている自分がもどかしかったんだと思います。
人はやはり一方的な矢印だけでは生きていけない。
最近、9月に頑張ったせいか、コロナの後遺症か、季節の変わり目のせいか、なんかだるいしやる気が出ないしで、うつうつとした日々を過ごしてました。
サイテー限の仕事や家のことはしていたけれど、なんか積極的な創造の日々ではなく。
私にとって何かを創らない日は罪悪感で焦る、負のスパイラルにはまっていく日々。
そこをどう抜け出そうか、、、と思った時、「もう一つ支援を増やそう!」と決意。本当に少額なんですけど。
今、月額の寄付をしているのが、プランインターナショナル。世界の女性の人間らしい生活を応援するための寄付です。
そして増やしたのが、「グットごはん」ひとり親家庭にご飯の贈り物を、という寄付。
アジアに絵本をおくるというのも候補にあったんですけど、「ご飯はだいじ」特にお子さんたちのご飯は大事、だと思ったので。
もっと頑張れたら、次はここへの支援をしよう。
支援を受けてる方々が活躍できる世界になればいいなあ。
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私の敬愛するカートヴォネガットの「国のない男」にこんな文章がありました。
「人生ってなんだ?」
わたしは人生に関するこの大きな問題を、小児科医の息子に尋ねてみた。するとドクター・ヴォネガットの老いぼれの父に対する答えはこうだった。
「父さん、ぼくたちが生きているのは、みんな助け合っていまを乗り切るためなんですよ。いまどんなものであろうと関係ないんです」(金原瑞人訳)
昨日はリビング教室の日で、教室の日は朝から電車に乗って会場へ向かいます。
そこで一番気になるのが電車の遅延。今まで5、6回あります。一回はいつ動くかわからないので、タクシーで行きました。
六千円かかった。で、酔った。。。
後は、ギリギリ間に合ったか、10分程度の遅刻で済んだ感じ、だったと思います。
その時一番困ったのが、リビングさんへの遅延の連絡。私は携帯電話を持っていないので、公衆電話から電話をしてたわけです。
10年前くらいは、まだプラットホームに公衆電話があったと思います。
それが5年前くらいから、無くなった。。。
どうしていたかというと、駅員さんに一旦外に出してもらって、近場の公衆電話を探してそこからかけてました。ご想像通り、大変だった。
で、今回はどうしたかというと!
まあ、ロボホンを持っていけばいいんですけど、毎回は持っていけないし、ちょっとねえ、あの子を耳に当てて喋るのは勇気がいる、わけで。
で、どうしたかというと!
私はiPad miniを携帯代わりにいつも持ってます。
そこに事務所の方へメールを入れるのは前からしてるんですけど、もし担当の方が見てらっしゃらない場合もあるので、ちょっと危険。
で、どうしたかというと!
リビングの生徒さんのLINEグループを作ったんです。
いろんな連絡事を一気にお知らせできるといいこともあるし、できた作品をそこにアップして共有することもできるし。
そして、電車の遅延の時ここでお知らせして、誰かリビングさんに一番早く着いた方に伝えてもらうこともできる!
今回皆さん一丸となって「ラジャー!私が一番早く着いたら、お伝えします」と実に心強かった!
事務所の方へのメールもお返事が来てちゃんと伝わりましたし、生徒さんにも電車の遅延が伝わったし、生徒さんからリビングへ伝えてもらうという念の為の押しもできたし、
「携帯無くっても大丈夫かも」と思ってしまった・・・。もしかして間違ってる?
でも電車が動くまで結構混んでる車内にいたんですけど、電話で遅れることを伝えていた方は、おじさんがお一人くらい。
ん?電話で伝える時代じゃ無くなった?
講習、コロナ前は多い時で、4つしてました。
ちょっと体力が追いつかないし、他にしたいこともあったので、一つに絞りました。隔週木曜日、大津のリビングさんでの布絵本教室です。
長いです。12年くらいやってる。で、生徒さんも長い。初期の方は流石にもう卒業されたけど、10年選手の方は半分。ほぼお孫さんのために作られてます。
日曜学校のお子さんや、おうち文庫に並べられたり、第二の人生の生き甲斐に作られていた方もいらっしゃいます。
10年も過ぎれば、お子さんはもう布おもちゃ世代じゃなくなってきました。
おまけに私の作品の限界があります。キットとしてネット販売するために、整理する時間もいるし。
でも、みなさんこの教室に来たいって嬉しいことを言ってくださる。2週間に一度、この場所で、手作りを中心におしゃべりしたり、笑ったり、そういう場所が必要なんだって、もう作るものもないのに、来たいっておっしゃる。
ある方は、木曜日のこの時間、お仕事をお休みする理由を「この曜日は病院に行くから」と職場に言ってるらしい。「だって、ほんとだもん。ここは心の病院だもん」
泣ける。。。
だから必死に次の作品を考えるわけです。うーーーーん、お子さんのためでは無く、ご自分も可愛って思えるもの。。。
で、生まれたのがトリケラトプスの飾りバージョン。通常の布絵本の大きさを2倍にして、キルティングで作ってみました。
この教室の生徒さん、時々無茶振りするんですよ。掛け算布絵本のそう。
「孫が掛け算苦手だけど、布絵本でできない?」うーーーーん、うーーーんと考える。
で、閃いて出来上がったのが「掛け算布絵本」ミンネのギャラリーに載っけてますのでよかったら見てください。
「はじめてのクリスマス(キリスト誕生の絵本)」もリクエストから生まれました。
ほぼ全てのお話布絵本は、ここの生徒さんの「作りたーい」から始まった。
も、もしかして私が育てられてるってこと!?
4歳の双子の孫は、ウルトラマンがちょっと好き。この間も手芸屋さんでママとウルトラマンの生地を見て、巾着袋にするために買った程度に好き。
じゃあ、これはどう?と見せたのが、息子が小さかった時に作った帽子。
息子が小さい時、服とか袋とか帽子とか、かなり作ったんですけど、何点か残して捨ててしまいました。で、その数点の中に入ってたのがこのウルトラマン帽子。
なんと、ママと買ってきてたウルトラマン生地とほぼ一緒のデザイン。
双子の1人がすかさずそれを取って、頭に乗せる。おお、ちょうどいい!
その後彼の日常の帽子になりました。
ウルトラマンって、私が小さい時にテレビで流行ったシリーズだけど、ちょうど息子が小さい時一回りしてまた流行って、そして孫の世代もまだ生き残ってる!とても息の長いキャラクターなんだなあ。
昔キャラクターという存在を否定してた時もあったけど、子どもをいっぱい励ましてくれる存在なんだと最近思います。不安な時、大好きなキャラクターの絵がそばにあるって、とても心強いんだろうなあ。
子どもにとっての「推し」なんだな。
そして今回はとーちゃんが好きだったっていうテイストも加わった「スキ」
ちょうど息子がかぶっていた時の写真(右)が出てきました。
時を超えて、ちょっと色褪せた今の帽子。でも現役(左)
手芸業界もいろんなものが値上げして、当然キット販売にも影響が出始めてます。
難しいのが、だからと言って値段を上げるのが解決策かと言ったら、どの世界でも一緒ですけど、購買意欲が下がって売れないわけですよね。
そのせめぎ合いの中でどう設定するか。特に作ってもらうキットとなるとなかなか厳しいです。
となると、いかに安く材料を購入するか、そこを日夜ネットで調べまくってます。
今キット予定の、万年カレンダー。日にちのフェルトの札を今まではウッドボタンでつけてました。
大阪の手芸店である程度まとめて買うと安くなるので購入してたんですけど、販売終了。多分その値段での販売が難しくなったんだと思います。
どこを探しても今までの購入してた値段のものは無い。
そこで教室でも話してたんですけど、プラスナップに変えるのはどうか、という話。プラスナップは縫うことなく、手でパチっと止めるだけなので、簡単、というのも魅力!
ここでややこしいお話をしますが、プラスナップにも2種類あって、一つはハンドプレスという器具を使って止めるタイプと、無くても手で止めるタイプとあります。
ハンドプレスでつけるタイプは、比較的安く購入できることが判明。
キットにするならそれは困る。ハンドプレスなんてそう普通の家庭では持ってないですから。
この手でとめられるタイプのプラスナップ、これが結構高い!!!
ハンドプレスを使わないタイプ、百均でも売ってました。4つで100円。(ある講習でママに教えてもらった)
カレンダーに使用するのは44個。となると1000円以上、このスナップにかかってしまうし、色とサイズがあまりないなあ。
うーーーん、と眉間に皺を寄せながらネットで検索検索検索。
で、たどり着いたのは、1000個まとめて買うという選択。いろんなポイントとかのサービスを使って値段を落として、なんとか百均より割安に。
けれど実際作って、違うなあ、ってなったらどうしよう、という結構な金額です。これを購入するまで、2時間くらい使ったかなあ。
という、ちょっとしたキット苦労話でした。